2004年7月11日(日)の午前、紀三井寺に行った。紀三井寺は和歌山市にある。このお寺は、今から1234年前(西暦770年)、奈良朝時代(光仁天皇の宝亀元年)に唐僧・為光上人が開基した。上人は、東中国海を渡って中国(当時の唐)より到来したのである。
上人は、行脚(あんぎゃ)の途中、たまたまこの地に至り、十一面観世音菩薩像を自ら一刀三札のもとに刻み、一字を建立して安置した。これが紀三井寺の起こりとされている。
その後、歴代天皇の御幸があり、また後白河法皇が勅願所に定めることで、以後、隆盛を極め、鎌倉時代には僧侶が500人を越えたと伝えられている。正式には「紀三井寺金剛宝寺護国院(きみいさんこんごうほうじごこくいん)」という。紀三井寺とは、「紀州にあって、三つの井戸があるお寺」ということで名付けられたといわれ、今も境内には、清浄水(しょうじょうすい)、楊柳水(ようりゅうすい)、吉祥水(きっしょうすい)の三井があって、清水が湧出している。この清水は、日本名水100選の一つに認定されている。門前には門前町が形成されているが、往時の賑わいはないとか。拝観料は100円。登りの階段がキツイ。階段は231段だったと思う。